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第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流――新規創薬・個別化医療への挑戦
遺伝統計学の理論と実践
琉球諸島の人々における集団ゲノム解析
Population genome analysis on people in the Ryukyu Islands
小金渕 佳江
1
Kae KOGANEBUCHI
1
1東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻
キーワード:
琉球諸島
,
集団遺伝学
,
ゲノム
,
遺伝的多様性
,
集団形成過程
Keyword:
琉球諸島
,
集団遺伝学
,
ゲノム
,
遺伝的多様性
,
集団形成過程
pp.1069-1075
発行日 2024年3月30日
Published Date 2024/3/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288131069
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琉球諸島は日本列島の南西端に位置する島嶼であり,北海道,本州,四国,九州とは異なる遺伝的多様性を有する.この地域の人々の遺伝的特徴の形成プロセスを理解するためには,人々の移動と混交の歴史を解明することが重要である.琉球列島の人々の成立に関する調査は形質人類学研究や古典的な遺伝学的研究にはじまり,近年では大規模DNAシーケンシング技術により,琉球諸島における独自の遺伝的特性とその形成過程が明らかにされてきた.集団ゲノム解析では,多変量解析法である主成分分析(PCA)や集団遺伝学統計量のひとつであるF統計量などの統計手法が用いられ,複雑な集団形成過程の推定を可能にしている.また,沖縄県ではバイオバンク事業が進行中で,地域固有の遺伝的特徴を基にした医学研究が行われており,疾患との遺伝的関連が明らかにされる可能性がある.さらに古人骨由来のゲノムデータを活用することで,より詳細な解析が期待される.
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