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特集 GLP-1受容体作動薬・GIP/GLP-1受容体作動薬――非臨床・臨床のエビデンスと実臨床における注意点
心血管疾患に対するGLP-1受容体作動薬の効果
The effect of GLP-1 receptor agonists for cardiovascular disease
沢見 康輔
1,2
,
田中 敦史
2
,
野出 孝一
2
Kosuke SAWAMI
1,2
,
Atsushi TANAKA
2
,
Koichi NODE
2
1東京大学大学院医学系研究科循環器内科
2佐賀大学医学部循環器内科
キーワード:
2型糖尿病
,
GLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬
,
主要心血管イベント(MACE)
,
心不全
Keyword:
2型糖尿病
,
GLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬
,
主要心血管イベント(MACE)
,
心不全
pp.966-971
発行日 2024年3月23日
Published Date 2024/3/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28812966
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糖尿病は心血管疾患の重要な危険因子のひとつであり,糖尿病患者は非糖尿病患者と比較して心血管疾患の頻度が約2~4倍も高いとされている.血糖値を低下させることは糖尿病治療の基本であるが,血糖コントロールのみで糖尿病患者の心血管イベントを完全に抑制することは困難であることから,心血管系に対する保護作用を持つ血糖降下薬を選択し,“どのような薬剤を使用して血糖値を下げるのか” を考慮する重要性が増している.GLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬は心血管疾患の既往がある,あるいは複数の心血管疾患のリスク因子を持つ2型糖尿病患者の主要心血管イベント(MACE:心血管死亡,心筋梗塞,脳卒中)を減少させることが複数の大規模臨床試験において確認されている.心不全患者への適応についてはさらなる検討が必要であるが,特に動脈硬化性疾患を有する2型糖尿病患者に対しての積極的な使用が各国のガイドラインでも推奨されている.
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