Japanese
English
特集 GLP-1受容体作動薬・GIP/GLP-1受容体作動薬――非臨床・臨床のエビデンスと実臨床における注意点
受容体作動薬の分類と血糖改善・体重減少効果のメカニズム
Classification of receptor agonists and mechanisms of their effects on improving blood glucose and decreasing body weight
稲垣 暢也
1
Nobuya INAGAKI
1
1公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院
キーワード:
インスリン
,
グルカゴン
,
2型糖尿病
,
肥満症
,
摂食中枢
Keyword:
インスリン
,
グルカゴン
,
2型糖尿病
,
肥満症
,
摂食中枢
pp.960-965
発行日 2024年3月23日
Published Date 2024/3/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28812960
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
インクレチン関連薬のなかでも,GLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬は,血糖依存性にインスリン分泌を増強かつグルカゴン分泌を抑制し,単剤で低血糖を起こしにくく,強い血糖降下作用を有する2型糖尿病治療薬である.また,食欲抑制作用を有し,体重減少作用もみられ,最近,わが国で約30年ぶりの肥満症治療薬としてGLP-1受容体作動薬が新たに承認された.一方で,GIP(glucose-dependent insulinotropic poly-peptide)/GLP-1受容体作動薬が最近新たな2型糖尿病治療薬として登場し,注目を浴びている.GIPはこれまで生理的には高脂肪食による肥満を誘導するインクレチンと考えられてきたが,薬理的レベルでGIPとGLP-1の両受容体を刺激するGIP/GLP-1受容体作動薬は,GLP-1受容体作動薬と比べてより強い血糖降下作用と体重減少作用が認められる.GIP/GLP-1受容体作動薬の作用メカニズムについては不明な点が多く,今後の研究の進展が期待される.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.