症例
被毛および唾液への感作が認められたジャンガリアンハムスターによるアナフィラキシーの1例
原田 晋
1
,
白井 秀治
,
蔵田 圭吾
,
越本 知大
,
阪口 雅弘
,
工藤 比等志
1はらだ皮膚科クリニック
キーワード:
アナフィラキシー
,
ELISA
,
IgE
,
咬傷と刺傷
,
唾液
,
免疫
,
キヌゲネズミ属
Keyword:
Anaphylaxis
,
Bites and Stings
,
Enzyme-Linked Immunosorbent Assay
,
Immunity
,
Immunoglobulin E
,
Saliva
,
Phodopus
pp.389-396
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016208980
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43歳女。飼育中のジャンガリアンハムスターに息を吹きかけた際に全身の膨疹、呼吸困難が出現したが、手持ちのオロパタジン塩酸塩服用後に症状は緩和した。2週間後に同じハムスターに左示指を咬まれ、膨疹、嘔吐、下痢、呼吸困難が出現し救急搬送され、点滴加療を受け回復し、その後、原因検索目的で当院紹介となった。血液検査ではハムスター上皮特異的IgEはクラス2陽性で、蛍光ELISA法にてジャンガリアンハムスターの被毛と唾液に対する特異的IgEも陽性であったことから、被毛および唾液の両者への感作によるジャンガリアンハムスターアレルギーと診断された。本症例では、被毛および唾液の両者間には交差反応性が存在すること、さらにハムスター間でも種による抗原性の違いが存在していることが示唆された。
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