Japanese
English
特集 アナフィラキシーup to date 2024
昆虫刺傷とアナフィラキシー
Insect stings and anaphylaxis
廣川 尚慶
1
,
平田 博国
1
,
福島 康次
1
Hisanori HIROKAWA
1
,
Hirokuni HIRATA
1
,
Yasutsugu FUKUSHIMA
1
1獨協医科大学埼玉医療センター呼吸器・アレルギー内科
キーワード:
昆虫刺傷
,
ハチ毒
,
アナフィラキシー
,
携帯型アドレナリン自己注射製剤(エピペン®)
,
アレルゲン免疫療法
Keyword:
昆虫刺傷
,
ハチ毒
,
アナフィラキシー
,
携帯型アドレナリン自己注射製剤(エピペン®)
,
アレルゲン免疫療法
pp.908-912
発行日 2024年3月16日
Published Date 2024/3/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28811908
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
昆虫アレルギーにおいて,ハチ,アリ,蚊刺傷および毒蛾,毛虫などの接触によるアナフィラキシーが報告されており,時に死亡するケースがある.わが国ではハチ刺傷による死亡例がほとんどで,毎年10~20名前後と報告されている.臨床的に重要なハチの種類として,スズメバチ,アシナガバチ,ミツバチの3つに分類される.ハチ刺傷により感作された人の約10~17%が,再刺傷によりアナフィラキシー反応を引き起こす.ハチ毒アレルギーの発症機序として,ハチ毒に含まれるアレルゲンに対する特異的IgE抗体を介した即時型アレルギー反応と,IgE抗体を介さずに毒素直接作用(外因性ヒスタミンなどの化学伝達物質など)による反応がある.ハチ毒への感作を明らかにするためには,皮膚テストや特異的IgE抗体の測定が有用である.ハチ毒に感作された人において,刺傷時の緊急治療として,携帯型アドレナリン自己注射製剤(エピペン®)が必要である.また,アナフィラキシーを発症した人の根本的治療として,ハチ毒抽出エキスを用いたアレルゲン免疫療法が有効であるが,わが国では保険適用とされていない.本稿では,昆虫アレルギーのなかでも特に重篤な全身性アナフィラキシー反応に至るハチ毒アレルギーの知見を中心に概説する.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.