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特集 アナフィラキシーup to date 2024
食物によるアナフィラキシー
Food anaphylaxis
福冨 友馬
1
Yuma FUKUTOMI
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター臨床研究推進部長
キーワード:
食物
,
アナフィラキシー
,
IgE
Keyword:
食物
,
アナフィラキシー
,
IgE
pp.899-902
発行日 2024年3月16日
Published Date 2024/3/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28811899
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食物はアナフィラキシーの原因のなかで,最も頻度が高い.食物アナフィラキシーの原因食物は,年齢によって大きく異なる.0歳では鶏卵,牛乳,小麦が多いが,18歳以上では小麦,甲殻類,果実類,魚類の頻度が高い.食物以外のものが食事摂取と関連して曝露され,それがアナフィラキシーの原因になることはまれではなく,特にアニサキスとダニに汚染された食品の経口摂取で症状が誘発される事例は少なくない.食物アナフィラキシーの症状を誘発するために,食物の摂取だけではなく,運動や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服などの誘因の組み合わせが必要な症例も少なくない.食物アナフィラキシーの急性期治療は,一般的なアナフィラキシー治療と大きく変わらない.原因が明らかではない食後のアナフィラキシーを経験した患者は,アレルギーを専門とする医師の診療を受けることが望ましい.原因食物の同定の際に,血中抗原特異的IgE抗体価検査を行うことが多いが,この検査は偽陽性,偽陰性も多いことに留意する必要がある.正確な診断には,皮膚テスト,詳細な問診,食物経口負荷試験の結果を組み合わせる必要がある.
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