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特集 アナフィラキシーup to date 2024
アナフィラキシーの疫学
Epidemiology of anaphylaxis
佐藤 さくら
1
Sakura SATO
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
キーワード:
アナフィラキシー
,
医薬品
,
疫学
,
昆虫毒
,
食物
Keyword:
アナフィラキシー
,
医薬品
,
疫学
,
昆虫毒
,
食物
pp.893-898
発行日 2024年3月16日
Published Date 2024/3/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28811893
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アナフィラキシーは重篤な全身性の過敏反応であり,アレルギー反応のなかで最も重症度が高い病態である.アナフィラキシーの生涯有症率は0.3~5.1%,アナフィラキシーの発生率は10万人あたり50~112件/年と推定されている.主な誘因は食物,医薬品,昆虫毒であり,小児では食物,成人では医薬品が多くを占める.地域や生活環境などにより誘因の分布は異なるため,わが国独自の疫学調査は重要な意味を持つ.日本アレルギー学会が実施したアナフィラキシー症例の全国集積調査では,施設内で発症または救急受診したアナフィラキシー症例767名を集積し,主な誘因は食物,医薬品,昆虫毒であること,および誘因の詳細などが明らかになった.また医薬品アナフィラキシーのビックデータ解析により,主な誘因はX線造影剤を含む診断用薬,血液製剤類を含む生物学的製剤であることが明らかになった.本稿ではアナフィラキシーの疫学データについて,わが国の疫学データの最新情報を中心に解説する.
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