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第1土曜特集 統合失調症の未来――研究と治療
総論
統合失調症のスティグマと社会参加
Schizophrenia-related stigma and social participation
山口 創生
1
,
大石 智
2
Sosei YAMAGUCHI
1
,
Satoru OISHI
2
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域精神保健・法制度研究部
2北里大学医学部精神科学
キーワード:
社会参加
,
社会的接触
,
就労
,
スティグマ
,
統合失調症
Keyword:
社会参加
,
社会的接触
,
就労
,
スティグマ
,
統合失調症
pp.511-516
発行日 2023年8月5日
Published Date 2023/8/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28606511
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統合失調症の当事者にとって,スティグマは日常的な問題である.精神疾患のなかでも,特に統合失調症は暴力などのイメージと結びつけられやすく,深刻なスティグマの対象となりやすい傾向にある.スティグマは,①構造的スティグマ,②市民のスティグマ,③当事者のスティグマ,④関係者のスティグマに分類される.社会参加という文脈において,たとえば,統合失調症の当事者と一緒に働くことを懸念する市民や,働く能力を低く見積もる市民は一定の割合で存在する.当事者は,自身に向けられるスティグマを敏感に察知し,人間関係や就職活動を避けることもあり,さらに自身を価値のないものとして考えるセルフスティグマに陥りやすいとされている.社会参加の障壁となるスティグマの減少には,市民に知識を提供するだけでは不十分なことが多い.当事者が社会で活躍し,日常的に多くの人々と接触する機会を増やすような支援に取り組むこと,つまり社会参加やその維持を可能にする効果的な実践は,スティグマの減少につながる可能性がある.
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