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特集 出血傾向あるいは血栓傾向をきたす血小板減少症と血小板機能異常症
【血栓傾向をきたす血小板減少症】
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)とヘパリン以外が原因となるHIT
Heparin-induced thrombocytopenia(HIT)and HIT caused by non-heparin
安本 篤史
1
Atsushi YASUMOTO
1
1北海道大学病院検査・輸血部
キーワード:
anti-PF4 disorder
,
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
,
ワクチン起因性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)
,
免疫学的測定法
,
機能的測定法
Keyword:
anti-PF4 disorder
,
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
,
ワクチン起因性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)
,
免疫学的測定法
,
機能的測定法
pp.661-664
発行日 2024年2月24日
Published Date 2024/2/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28808661
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ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)はヘパリン曝露がきっかけで,ヘパリン-血小板第4因子(PF4)複合体にHIT抗体とよばれる抗PF4抗体が産生され,血小板減少と血栓塞栓症を生じる.2008年頃からヘパリン曝露歴がなくてもHITに類似する病態の報告は増えていたが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンであるアデノウイルスベクターワクチン接種後にワクチン起因性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)を発症することが注目を集めた.これはHITと同じく抗PF4抗体が原因となるが,著明な血小板減少と脳静脈血栓症などの奇異な部位の血栓症がめだち,重症化しやすく致死率も高い病態であった.HITとVITTを含めた抗PF4抗体が関与する疾患群をanti-PF4 disorderと呼称し,その分類も整理された.本稿ではanti-PF4 disorderの病態,診断,治療を主にHITとVITTを比較しながら概説する.
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