今月の主題 凝固制御
血液凝固系検査の新展開
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)とその抗体検査
松尾 武文
1
Takefumi MATSUO
1
1兵庫県立淡路病院
キーワード:
ヘパリン起因性血小板減少症
,
HIT抗体
,
血小板第4因子
Keyword:
ヘパリン起因性血小板減少症
,
HIT抗体
,
血小板第4因子
pp.1555-1559
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101835
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ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)は低分子ヘパリンを含めたヘパリンの重大な副作用である.HITの病因として,ヘパリンと血小板第4因子の複合体を抗原として誘発される自己抗体(HIT抗体)によるとされている.HIT抗体の検出には,酵素免疫測定法(ELISA)が本邦を含めて,広く普及しつつある.特にELISAの測定技術の改善により,日常的に安定した結果が得られ,その測定結果からHITにしばしば合併する血栓症の予測も可能となった.今回は,ELISAによるHIT抗体の意義を中心に概説する.
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