増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド
3章 検査プロセス
HIT抗体
安本 篤史
1
1北海道大学病院検査・輸血部
キーワード:
ヘパリン起因性血小板減少症
,
HIT
,
免疫学的測定法
,
機能的測定法
,
HIT抗体
Keyword:
ヘパリン起因性血小板減少症
,
HIT
,
免疫学的測定法
,
機能的測定法
,
HIT抗体
pp.1009-1012
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209100
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はじめに
HIT抗体とは,ヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia:HIT)の診断のために用いられる検査で,抗血小板第4因子(platelet factor 4:PF4)/ヘパリン複合体抗体の通称である.HIT抗体の検出には,一般的に免疫学的測定法が用いられ,ラテックス凝集免疫比濁法と化学発光免疫測定法(chemiluminescent immunoassay:CLIA),酵素免疫測定法(enzyme-linked immunosorbent assay:ELISA),イムノクロマト法がある.これらの免疫学的測定法は簡便で迅速に行うことができ,感度が高いため,陰性の場合は99%の確率でHITを否定できるが,特異度が低いため,陽性であってもHITと確定することはできない.そのためHIT抗体が陽性の場合,確定診断のためには機能的測定法を行う必要がある(表1).
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