特集 エキスパートはこう読む! 検査値の臨床的解釈―日常臨床での疑問にお答えします
[Chapter 3] 血液
[HIT抗体に関する疑問]ヘパリン投与中,血小板数が投与開始から1週間後に半分以下になったため,ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)を疑ってHIT抗体検査を行いました.結果は30U/mLと高値だったため,HITと診断してもよいでしょうか?
安本 篤史
1
1北海道大学病院 検査・輸血部
キーワード:
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
,
HIT抗体
,
4Tsスコア
Keyword:
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
,
HIT抗体
,
4Tsスコア
pp.1204-1205
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_1204
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お答えします
本邦で保険収載されているHIT抗体検査は3種類あり,それぞれで解釈は異なります.ラテックス免疫比濁法は感度が高く,陰性であればHITを否定できますが,特異度が低く定量性がないため,30U/mLと高くてもHITとは診断できません.一方で,化学発光免疫測定法は定量性があるため30U/mLであればHITと考えて間違いありません.イムノクロマト法は目視による判定のため,陰性/陽性で報告されます.
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