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特集 精神疾患における環境要因と遺伝-環境相互作用
環境要因としてとらえた精神療法の治療反応性予測
Predicting treatment responsiveness to psychotherapy as an environmental factor
木村 大樹
1
,
池田 匡志
1
Hiroki KIMURA
1
,
Masashi IKEDA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科精神医学分野
キーワード:
精神療法
,
治療反応性
,
ゲノム医科学
Keyword:
精神療法
,
治療反応性
,
ゲノム医科学
pp.590-593
発行日 2024年2月17日
Published Date 2024/2/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28807590
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精神療法はすべての患者に対して提供されるべき精神科医療における基本的スキルであるが,精神療法の治療反応性は患者ごとに異なる.精神疾患患者の病態には遺伝的な要素が関わることが多く,近年のゲノム解析技術の進歩によりさまざまな精神疾患,精神症状,性格傾向に関連する遺伝的要因が予測できる方向性が示されつつあるが,精神療法の治療反応性は患者の性格傾向や知的能力だけでなく,病期,生まれてからの環境因子,さらには精神療法の技法を含めた治療者側の背景など,さまざまな要因が関与していると考えられ,遺伝的要因のみによる単純な予測は困難な可能性が高い.しかし,精神療法をポジティブな環境要因としてとらえて,その治療反応性を遺伝学的に予測できれば,新規の治療薬や精神療法手法の開発などにつながる可能性があり,今後,環境-遺伝相互作用を検討するなど,遺伝的要因以外を加味した検討が期待される.
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