特集 今この研究が面白い!
第4章 リウマチ・膠原病
[全身性エリテマトーデス(SLE)]SLEにおける細胞内代謝の病態への関与
河野 通仁
1
1北海道大学病院 リウマチ・腎臓内科
キーワード:
全身性エリテマトーデス(SLE)
,
細胞内代謝
,
解糖系
,
イタコン酸
Keyword:
全身性エリテマトーデス(SLE)
,
細胞内代謝
,
解糖系
,
イタコン酸
pp.502-506
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_502
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
・細胞内代謝には,主に解糖系,グルタミンなどのアミノ酸代謝,脂肪酸代謝などの経路がある.
・細胞内代謝の阻害によって,細胞の生存,増殖,分化,機能が変化する.
・T細胞,B細胞,樹状細胞などのさまざまな免疫細胞の代謝(免疫代謝)を制御することで,全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患モデルの病勢を抑えられる.
・抗菌作用,抗ウイルス作用をもつイタコン酸はTh17細胞分化を抑制し,制御性T(Treg)細胞分化を促進する.
・グルココルチコイドはマクロファージ細胞内のイタコン酸濃度を高く維持することで異常活性化を抑制する.
・細胞内代謝はSLEを含む自己免疫疾患の治療ターゲットとなりうる.
© Nankodo Co., Ltd., 2024