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特集 CAR-T細胞療法の最前線――現状と残された課題
はじめに
Introduction
赤塚 美樹
1
Yoshiki AKATSUKA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞免疫学
pp.181-181
発行日 2024年1月20日
Published Date 2024/1/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28803181
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1987年にKurosawaらによって最初のキメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor:CAR)-T細胞のプロトタイプが報告1)されて以来,30年の時を経て,世界初のCD19 CAR-T細胞が米国で承認された.この遺伝子改変によってT細胞が主要組織適合抗原(major histocompatibility antigen;MHC,ヒトではHLA)非依存性に,抗体の特異性によってがん細胞上の抗原に結合し,直接傷害することができるようになった.さらに,CAR-T細胞は体内で標的に出会うと活性化し急速に増殖ができるため,抗体製剤のような反復投与も不要となった.このような優れた特性から,一気に基礎および臨床開発が進んだ.CAR-T細胞療法は化学療法抵抗性となった腫瘍にも効果があり,従来の標準治療を大きく変えるパラダイムシフトを臨床現場にもたらしつつある.
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