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特集 リキッドバイオプシーを用いたがん診療の未来図――早期発見から個別化治療まで
リキッドバイオプシーによるがん検診の未来図
The future of cancer screening with liquid biopsy
今井 光穂
1
Mitsuho IMAI
1
1国立がん研究センター東病院 医薬品開発推進部 医薬品開発推進部門TR支援室,同国際研究推進室,遺伝子診療部
キーワード:
Multi-Cancer Early Detection(MCED)検査
,
リキッドバイオプシー
,
バイオマーカー
Keyword:
Multi-Cancer Early Detection(MCED)検査
,
リキッドバイオプシー
,
バイオマーカー
pp.141-147
発行日 2024年1月13日
Published Date 2024/1/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28802141
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がんは早期発見が治療の鍵である.早期段階でのがんの発見により,より効果的な治療法の選択が可能となる一方で,進行した段階での治療は難しく,生存率が低下する.しかし,がんは初期段階では症状がほとんど現れず,進行してから症状が顕著になることが一般的であり,症状が現れた後では,病期が進行した段階で診断されることが少なくない.症状が現れる前のがんの早期発見により,臨床転帰と死亡率の改善が見込まれる.現在の対策型検診は,胃がん,大腸がん,肺がん,乳がん,子宮頸がんの5種類を対象としているが,がん関連死の75%以上は検診でスクリーニングされないがんによるものである.ほとんどのがんには,推奨される集団スクリーニング法が存在しない.また,現行のがん検診方法では特定のがんの検出に特化しており,それ以外のがんについては早期発見が難しいことから,網羅的にがんをスクリーニングするためには,多くの検査を受けなくてはならない.早期段階でさまざまながんの存在を確認するために注目されている検査のひとつがMulti-Cancer Early Detection(MCED)検査である.本稿では,がん検診とMCED検査の現状,および将来像について解説したい.
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