今月の主題 認知症の動的神経病理
話題
石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(diffuse neurofibrillary tangles with calcification)
横田 修
1
,
土谷 邦秋
1,2
Osamu YOKOTA
1
,
Kuniaki TSUCHIYA
1,2
1東京都精神医学総合研究所高齢社会プロジェクト老年期精神疾患研究チーム
2東京都立松沢病院検査科
キーワード:
タウ
,
αシヌクレイン
,
認知症
Keyword:
タウ
,
αシヌクレイン
,
認知症
pp.1160-1164
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100736
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1.はじめに
石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(diffuse neurofibrillary tangles with calcification;DNTC)1)の最初の剖検例は1965年の安藤ら2)のものである.以後の20数例の剖検報告の蓄積,および臨床,病理学的な特徴の検討は,そのほとんどすべてがわが国の研究者によってなされてきた.DNTCの病理学的特徴は,①アルツハイマー病と生化学的にも超微形態的にも区別できない神経原線維変化(neurofibrillary tangle)の出現,②アルツハイマー病と対照的にβアミロイドの沈着は非常に少ないか欠くこと,③側頭葉,次いで前頭葉に強調される脳萎縮,④大脳基底核や小脳歯状核における石灰あるいは偽石灰の沈着,という4点にまとめられる.以下,本症の臨床,病理学的な特徴を紹介する.
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