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特集 Onco-Cardiology――最新ガイドラインと今後の課題
はじめに
Introduction
矢野 真吾
1
Shingo YANO
1
1東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科
pp.555-555
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28708555
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- Abstract 文献概要
日本人の死因順位は,1981年より悪性新生物が1位を占め,1997年より心疾患が2位と続く.かつて,がんは進行性で予後の悪い疾患であったが,基礎研究および臨床研究の着実な成果により,がん患者の生命予後は大幅に改善してきた.がんの増殖メカニズムや免疫回避の機序が解明されつつあり,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が矢継ぎ早に登場した.従来の化学療法,手術療法,放射線療法のほかに,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を組み入れた治療を行うことにより,がんは治癒が期待できる疾患になってきている.一方,がん治療の進歩に伴い,心疾患を有する患者ががんに罹患する事例やがん患者が治療関連心血管毒性(cancer therapy-related cardiovascular toxicity:CTR-CVT)を発症する事例が増えてきており,腫瘍循環器学(Onco-Cardiology)の重要性が注目されている.
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