特集 血液測定
超音波ドプラー法の応用
実時間スペクトラル超音波血流計
松尾 裕英
1
,
北畠 顕
1
,
林 亨
2
,
浅生 雅人
2
,
仁村 泰治
2
1大阪大学中央臨床検査部
2大阪大学阿部内科
pp.569-574
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202649
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血流に関する情報として求められるものには血流の速度と流量に関連したものがまず挙げられるであろう。更に前者に関してはその平均流速のみならず,血管内での血流速のスペクトラムを知りたいとする要求も含まれるであろうし,また後者については時々刻々の瞬時血流量や単位時間に流れる血流量,あるいは1心拍当りの血流量などがある。このような血流の状況をできる限り正確に知ろうとする努力は従来より数多くなされてきた。これらの内,超音波ドプラー法を利用した血流計測は,生体に対し侵襲を加えることなく体外より経皮的に容易に測定できるという利点を備えているため,近年急速に普及してきた。
超音波ドプラー法による血流計測は1959年里村1)によって開発されたものであるが,当初血流の方向指示が不可能でこれが本法の短所とされていたが,1966年加藤2)3)により周波数偏位方式による方向指示方式が,またMcLeod4), Pourcelot5)らによって位相弁別方式による方法があいついで発表された。
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