医師偏在と医師確保計画

Maldistribution of physicians and regional physician recruitment plan in Japan

Summary

　医師の偏在是正と確保は医療政策上の重要課題のひとつである．医師偏在の解消のためには，単に医師の養成数を増加させるだけでは十分ではない．国は，医師偏在対策に重点を置いたさまざまな施策を展開しているが，これらは，医師のキャリアパスのなかで考えると理解しやすい．都道府県は，医療計画の一部として医師確保の方針，目標医師数，具体的な医師確保のための施策等を定めた「医師確保計画」を策定して医師確保対策を本格化させている．地域枠等の卒業医師は，これからが義務年限明けとなる者が本格的に増加する時期となり，今後の都道府県定着の動向が注目される．次期医師確保計画に向け，地域の医療提供体制に関する関係者の意識の共有と連携，特に都道府県・大学・地域枠等卒業医師が同じ方向に向けて進むことが医師偏在対策・医師確保計画を進めていくうえで重要になると考えられる．