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特集 がん遺伝子の発見は現代医療を進歩させたか
Ⅰ.がん遺伝子研究の新しい展開
肺がんの新規ドライバー遺伝子“CLIP1-LTK”
CLIP1-LTK:a novel oncogenic driver in lung cancer
泉 大樹
1
,
松本 慎吾
1
,
葉 清隆
1
,
小林 進
2
,
後藤 功一
1
Izumi Hiroki
1
,
Matsumoto Shingo
1
,
Yoh Kiyotaka
1
,
Kobayashi Susumu
2
,
Goto Koichi
1
1国立がん研究センター東病院呼吸器内科
2国立がん研究センター先端医療開発センターゲノムトランスレーショナルリサーチ分野
キーワード:
肺がん
,
ドライバー遺伝子
,
LTK融合遺伝子
,
分子標的薬
Keyword:
肺がん
,
ドライバー遺伝子
,
LTK融合遺伝子
,
分子標的薬
pp.306-311
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201698
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非小細胞肺がんでは,様々なドライバー遺伝子を標的とした分子標的治療(個別化医療)が確立してきている。今回,筆者らは肺がん遺伝子スクリーニング基盤(LC-SCRUM-Asia)を通じて,新規ドライバー遺伝子であるCLIP1-LTK融合遺伝子を発見した。CLIP1-LTK融合遺伝子は非小細胞肺がんの0.4%に認められる遺伝子変化で,LTKキナーゼはALKと相同性が高く,CLIP1-LTK融合遺伝子陽性腫瘍に対してALK阻害剤,なかでもロルラチニブが有効であることが示された。今後,このLC-SCRUM-Asiaのスクリーニング基盤を活用して,LTK融合遺伝子陽性肺がんに対する治療開発および診断薬開発を行い,新たな個別化医療を確立していく予定である。
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