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第1土曜特集 老化を標的とした疾患予防・治療
各論
全身の老化制御メカニズムの理解を加速する新たなモデル動物 “ターコイズキリフィッシュ”
A new model animal that accelerates understanding of the mechanism controlling the rate of systemic aging “turquoise killifish”
石谷 太
1
Tohru ISHITANI
1
1大阪大学微生物病研究所環境応答研究部門生体統御分野
キーワード:
キリフィッシュ
,
全身の老化制御メカニズム
,
健康寿命延伸
Keyword:
キリフィッシュ
,
全身の老化制御メカニズム
,
健康寿命延伸
pp.405-411
発行日 2023年11月4日
Published Date 2023/11/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28705405
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全身の老化のメカニズムを理解するためには,老化や寿命と相関する多階層の情報を収集して老化制御因子候補を見つけ出し,それらをモデル生物個体で解析するアプローチが有効である.特に,モデル生物において特定の候補因子を機能改変して老化を抑制し,健康寿命を伸ばすことができれば,その因子を起点としたアンチエイジング技術開発の道がひらける.しかし,こうした解析ではモデル生物の老化速度が律速となり,たとえば,最もポピュラーなモデル生物であるマウスを用いて老化研究を行った場合,数年単位の研究期間が必要となってしまう.この “時間がかかる点” が個体老化研究の発展を阻む最大のボトルネックであったが,この状況を打破するゲームチェンジャー的モデル生物としてターコイズキリフィッシュ(学名:Nothobranchius furzeri.以下,キリフィッシュ)が注目されつつある.本稿では,キリフィッシュの老化研究モデルとしての有用性と,それを利用した筆者らの老化研究について紹介させていただく.
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