連載 作業療法を深める ⑬老い
老化のメカニズムと老いの哲学
田沼 靖一
1
Sei-ichi Tanuma
1
1東京理科大学
pp.1208-1211
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201113
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はじめに
わが国は,急速に高齢社会へと突き進んでいます.それに伴って,老人介護や少子化といった問題が大きな社会的課題になってきています.内閣府の『平成29年版高齢社会白書』によりますと,高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合)は上昇を続け,2036年に33.3%で,国民の3人に1人が高齢者になることが予測されています.さらに,2065年までの推計では高齢化率は38.4%に達し,2.6人に1人が高齢者になるとしています.そこで,老いの時間をどのように過ごしたらよいのかといったことが,個人的にも社会的にもますます重要な問題になってきています.
本稿では,まず「老化」のメカニズムを科学の面から理解する中で,「老い」をポジティブにとらえられるための何かよいヒント(自分なりの“老いの哲学”なるもの)を,考えていきたいと思います.
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