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第1土曜特集 医学・工学の融合によるイノベーション
医工連携研究成果の産業界への導出における課題
Challenges in translating the results of medical-engineering research into industry
関野 正樹
1
Masaki SEKINO
1
1東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻
キーワード:
医療機器
,
乳がん用磁気プローブ
,
社会実装
Keyword:
医療機器
,
乳がん用磁気プローブ
,
社会実装
pp.85-89
発行日 2023年10月7日
Published Date 2023/10/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2870185
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これまで多くの革新的な医療機器がアカデミアの研究成果から産まれており,世界的な競争のなかで今後もその重要性は増すと考えられる.アカデミアの研究成果を医療機器の開発につなげるうえで,医工連携を早期から実効的に機能させることと,産業界への導出を円滑に行うことは,とりわけ重要である.筆者は大学に所属する工学系の研究者であり,特に磁場を用いた医療機器の研究を専門としている.近年は大学の研究者に対して,成果の社会実装への取り組みがますます求められるようになってきたと感じることが多い.起業して成功した例もあり,それが学生への刺激になって起業に興味を抱く学生が増え,教育の機会も充実しつつある.また公的研究費においても,医工連携や社会実装へ向けた体制が構築されていることを応募の要件としているものが増えている.そのような変化は医療機器開発にとって多くのプラスの効果をもたらすが,同時に課題もみえてきている.医療機器開発の道のりは長く,実用化までには数々のハードルを超える必要があることから,事例を共有して互いに参考にすることは有益である.筆者の経験はまだ少ないが,具体的事例を紹介しながら,アカデミア発の医療機器開発を取り巻く状況とその課題について論じる.
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