- 文献概要
来年(2022年)の4月より,私の所属は大阪大学医学系研究科から工学系研究科に変更されていることと思います.招聘教授として,これまでの医工,産官学連携,ベンチャーにいっそう邁進するためです.そもそも大阪大学には共創機構や未来医療センターというそれを目的とした大きな組織があり,数十にも及ぶ多くの最先端プロジェクトでは多くのスタッフがかかわり実現化をめざしています.それに対して,私は一貫して自分でアイデアを発案して,自分で連携企業を開拓しそれを製品化し,さらに収益を得るというスキームで失敗を繰り返しながらやってきました.それは巨大スーパーと屋台のようなもので,いろいろな面で勝負にならないような気がします.しかし,その一方で屋台ではアイデア,仕入れ,ものづくり,営業すべてが要求されるために多くの経験を積むことができます.私の場合にも,多くの失敗を経て今では多くのプロジェクトで何とか成功をつかむことができるようになりました.
しかし,私があえて巨大スーパーを避けていたわけではありません.屋台をめざした理由は,どうしても自分で全部をやってみたかったのです.そのほうが楽しいからです.連携に限らず,研究や医療でもそうですが,自分でやってみてどんなに小さくても自分だけの発見や成功にわくわくする自分がいて,その気持ちを継続した結果でした.
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