巻頭言
医工連携
島田 洋一
1
1秋田大学医学部附属病院リハビリテーション部
pp.995
発行日 2005年11月10日
Published Date 2005/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100204
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医学の進歩において,工学はハード,ソフト両面で非常に重要な役割をもつ.診断機器の進歩は目覚ましく,これまでの診断学を一気に塗り替える勢いである.さらに,ロボット支援手術まで登場するに及び,いよいよハイテク医療全盛となってきた.
筆者は,16年前,英国・米国留学で医療専門工学者である多くのPhDたちと出会い,その技術力の高さ,医師と直結した臨床,研究体制に感銘を受けて帰国した.しかし,本邦ではその当時,異分野との共同研究は少なく,まして地方大学である本学ではほとんど行われていなかった.そこで,鉱山学部(秋田大学工学資源学部は当時,全国でも珍しい鉱山学部であった)のロボット工学,制御の専門家である大日方五郎教授(現・名古屋大学)を訪ね,福祉工学の共同研究を開始した.1990年より機能的電気刺激(FES)の臨床応用を開始し,麻痺者の機能再建を行い,多くの研究実績を残してきたが,すべて医工連携の賜である.
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