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第5土曜特集 内視鏡医学のすべて――各領域における診断・治療の進歩
消化器外科
大腸癌に対する内視鏡手術の治療戦略と今後の展望
Therapy strategy and future prospects for endoscopic surgery for colorectal cancer
井川 勇人
1
,
絹笠 祐介
1
Hayato IKAWA
1
,
Yusuke KINUGASA
1
1東京医科歯科大学消化管外科学分野
キーワード:
大腸癌
,
直腸癌
,
腹腔鏡手術
,
ロボット支援手術
,
側方郭清
Keyword:
大腸癌
,
直腸癌
,
腹腔鏡手術
,
ロボット支援手術
,
側方郭清
pp.1142-1147
発行日 2023年9月30日
Published Date 2023/9/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu286141142
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大腸癌に対する低侵襲手術の普及は著しく,腹腔鏡手術,ロボット支援手術,transanal minimally invasive surgery(TAMIS),transanal total mesorectal excision(taTME)など,さまざまなアプローチ方法がある.特に,2018年4月からロボット支援直腸切除・切断術,2022年4月からロボット支援結腸悪性腫瘍手術が保険収載され,大腸癌に対するロボット支援手術の件数は増加している.ロボット支援手術のエビデンスとして,周術期や腫瘍学的な安全性は示されている.また肥満患者や男性患者などの難易度の高い症例で低い開腹移行率と手術時間・術後在院期間の短縮が示唆されているが,開腹手術や腹腔鏡手術と比較してロボット支援手術の優越性に関する明確なエビデンスはない.今後,ロボット支援手術の有用性を明らかにしていくために,大規模なRCTの結果が待たれる.いずれにせよ,再発のリスクや患者のQOLを考え,症例ごとにそれぞれの方法のメリット・デメリットを考慮し,適切に手術アプローチを選択する必要がある.
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