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第5土曜特集 内視鏡医学のすべて――各領域における診断・治療の進歩
産科婦人科
子宮体癌の内視鏡手術
-――ロボット支援手術を含む
Minimally invasive surgery for uterine cancer
寺井 義人
1
Yoshito TERAI
1
1神戸大学医学研究科産科婦人科
キーワード:
子宮体癌
,
腹腔鏡手術
,
ロボット支援手術
,
骨盤リンパ節郭清術
,
傍大動脈リンパ節郭清術
,
肥満
Keyword:
子宮体癌
,
腹腔鏡手術
,
ロボット支援手術
,
骨盤リンパ節郭清術
,
傍大動脈リンパ節郭清術
,
肥満
pp.1184-1189
発行日 2023年9月30日
Published Date 2023/9/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu286141184
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子宮体癌は,婦人科癌のなかで最も多く,近年増加傾向にある癌であるが,その74%が子宮に限局するⅠ期で発見され,手術療法が中心的な治療となる.手術においては,術後疼痛の軽減や整容性が保たれ,拡大視野による微細な手術操作により出血量は少なく,手術侵襲に伴う腸閉塞などの術後合併症が少ないこと,早期子宮体癌において開腹手術と予後に差はなく,根治性は同等であることから,近年,腹腔鏡手術やロボット支援手術が普及してきている.子宮体癌では肥満症例が多く,術中合併症の発症リスクが高いことが知られているが,合併症の点からも開腹手術よりも腹腔鏡手術やロボット支援手術の方が術中出血量,周術期合併症も有意に低い.さらにロボット支援手術に十分に習熟した術者であれば,腹腔鏡手術に比べてロボット支援手術の方が周術期合併症の発症は同等であり,開腹手術への移行も少ない点からも適していると考えられる.子宮体癌に対する内視鏡手術では,腹腔鏡手術からはじまり,その後,ロボット支援手術が導入され,今後さらにロボット支援手術が中心的な位置づけになると思われる.
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