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特集 癌外科治療の日本と海外との相違点
わが国の大腸癌外科治療―欧米との違い
Differences in Japanese and overseas colorectal cancer treatment strategies
石黒 めぐみ
1
,
杉原 健一
1
Megumi ISHIGURO
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科腫瘍外科学
キーワード:
大腸癌
,
リンパ節郭清
,
側方郭清
,
再発大腸癌
,
補助化学療法
Keyword:
大腸癌
,
リンパ節郭清
,
側方郭清
,
再発大腸癌
,
補助化学療法
pp.828-836
発行日 2010年6月20日
Published Date 2010/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103089
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要旨:わが国の大腸癌治療成績は世界でも上位に位置し,Stage Ⅲ結腸癌に対する術後補助化学療法の臨床試験における5年生存率では,欧米に比し10%以上良好である.その主な要因は,Stageに応じた系統的リンパ節郭清と,精度の高い病理診断,綿密な術後サーベイランス,転移・再発巣の積極的な切除などにある.切除不能進行・再発大腸癌の化学療法におけるdrug lagは解消されたが,術後補助化学療法においては,背景となる手術成績が異なるため,欧米で有用性が証明されたレジメンであっても,わが国では有用性が得られないばかりか,患者の身体的・経済的負担を助長する可能性も想定され,欧米の標準治療をそのまま外挿することには慎重になる必要がある.
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