今月の主題 オートファジー
話題
膵炎発症とオートファジー
大村谷 昌樹
1
,
廣田 昌彦
2
,
山村 研一
1
Masaki OHMURAYA
1
,
Masahiko HIROTA
2
,
Ken-ichi YAMAMURA
1
1熊本大学生命資源研究・支援センター
2熊本市医師会病院
キーワード:
オートファジー
,
Atg5(autophagy-related gene 5)
,
トリプシン
,
SPINK1(serine protease inhibitor Kazal type 1)
,
膵分泌性トリプシンインヒビター(pancreatic secretory trypsin inhibitor;PSTI)
Keyword:
オートファジー
,
Atg5(autophagy-related gene 5)
,
トリプシン
,
SPINK1(serine protease inhibitor Kazal type 1)
,
膵分泌性トリプシンインヒビター(pancreatic secretory trypsin inhibitor;PSTI)
pp.1585-1589
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102167
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1.はじめに
急性膵炎は良性疾患であるにもかかわらず,重症化すると生命維持が困難な場合も少なくない.そのため,厚生労働省の特定疾患(いわゆる難病)に指定されている.急性膵炎の救命率の向上を図るためには,その発症機序,重症化機序の把握は極めて重要である.
急性膵炎は古くから,膵内においてまず,膵消化酵素前駆体であるトリプシノーゲンがトリプシンに活性化され,そして今度はその活性型トリプシンがほかの消化酵素を活性化することにより始まる,消化酵素による“自己消化”とされてきた.
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