増大特集 細胞シグナル操作法
Ⅱ.機能からみたシグナル操作法
2.タンパク質の一生
オートファジー
斉藤 哲也
1
,
小松 雅明
2
Saito Tetsuya
1
,
Komatsu Masaaki
2
1東京大学大学院新領域創成科学研究科
2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子遺伝学
キーワード:
オートファジー
,
LC3
,
p62/Sqstm1
Keyword:
オートファジー
,
LC3
,
p62/Sqstm1
pp.502-503
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200328
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オートファジーは,細胞質に出現した隔離膜が細胞質成分を取り囲みオートファゴソームが形成される過程と,オートファゴソームがリソソームと融合し細胞質成分が加水分解酵素により分解される二つの連続した過程から成る(図A)。オートファゴソーム形成は一連のオートファジー関連遺伝子(autophagy-related genes;Atgs)産物により厳密に制御されている。この分解経路は栄養飢餓により著しく誘導され,アミノ酸プールの維持を担うことにより栄養飢餓時に必要なタンパク質の合成やエネルギー供給に寄与する。また,機能消失したミトコンドリアなどの細胞毒性を発揮する構造体が細胞内に出現した場合,オートファジーはそれらを選択的,積極的に排除し,細胞の恒常性維持を担う。
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