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特集 多囊胞性卵巣症候群UPDATE――病態を理解しライフステージに応じた管理を考える
【ライフステージごとの課題】
思春期PCOSの診断,管理とプレコンセプションケア
Diagnosis, management and preconception care of adolescent PCOS
大須賀 智子
1
,
三宅 菜月
2
Satoko OSUKA
1
,
Natsuki MIYAKE
2
1名古屋大学大学院医学系研究科 産婦人科学
2同医学部附属病院 産科婦人科
キーワード:
多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
,
思春期PCOS
,
月経周期異常
,
アンドロゲン過剰症
,
プレコンセプションケア
,
リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
Keyword:
多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
,
思春期PCOS
,
月経周期異常
,
アンドロゲン過剰症
,
プレコンセプションケア
,
リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
pp.887-890
発行日 2023年9月9日
Published Date 2023/9/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28611887
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多囊胞性卵巣症候群(PCOS)は排卵障害による不妊症のみならず,インスリン抵抗性などの代謝障害に加え,子宮内膜癌や周産期合併症のリスクもあり,ライフステージを通して女性の健康を害する疾患である.したがって早期からの管理がのぞましく,思春期におけるPCOSの診断,管理への着目が高まりつつある.一方,PCOSの主症状である月経不順は思春期から継続していると考えられ,初経後数年は正常でも月経周期異常を認めることがあり,正常と異常の鑑別が困難である.また,卵巣の多囊胞所見ならびにニキビ(尋常性ざ瘡)などの高アンドロゲン様症状を呈しやすいことも,思春期にPCOSを診断することを難しくしている.これまでにいくつかの診断の指標が示されているが,現在,思春期PCOSの明確な診断基準はない.本稿では,現在提唱されている思春期PCOSの診断の指標や管理について紹介するとともに,プレコンセプションケアやリプロダクティブ・ヘルスの観点からもその重要性についてふれる.
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