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第1土曜特集 人生100年時代を見据えて がんと生活習慣病(心疾患/糖尿病/CKD/MAFLD)を再考する──共通リスク因子,予防・治療の最新アプローチ
生活習慣・食習慣とがん
がんと微生物との関連を免疫・環境要因から考察する
-――病態解明の進歩
Relationship between cancer and microorganisms from the perspective of immune and environmental factors
――Advances in research to elucidate pathophysiology
内藤 裕二
1
Yuji NAITO
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科生体免疫栄養学
キーワード:
がん
,
微生物
,
免疫療法
,
腸内細菌
,
予防
Keyword:
がん
,
微生物
,
免疫療法
,
腸内細菌
,
予防
pp.817-823
発行日 2023年9月2日
Published Date 2023/9/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28610817
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本稿では,微生物からのシグナルを宿主であるヒトがどのように受け取り,腫瘍免疫応答に対して刺激あるいは抑制シグナルとなっているかを紹介した.なかでもヒト腸内細菌叢の構成には,宿主因子以上にさまざまな環境因子の影響が大きいことが明らかとなり,腫瘍免疫と腸内細菌叢との関連を理解するうえでも背景情報を含めた解析が重要である.がん免疫療法の効果予測,糞便移植(FMT)など腸内環境へのアプローチによる効果増強など,新たな取り組みも紹介した.増加する大腸がんの予防戦略上も食因子と腸内細菌との相互作用からの視点が必要である.
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