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第1土曜特集 人生100年時代を見据えて がんと生活習慣病(心疾患/糖尿病/CKD/MAFLD)を再考する──共通リスク因子,予防・治療の最新アプローチ
生活習慣・食習慣とがん
喫煙習慣に関連するがん
-――肺がんにおける疫学・病態を中心に
Cancer affected by smoking habits
――Epidemiology and pathophysiology of lung cancer
古堅 誠
1
,
山本 和子
1
Makoto FURUGEN
1
,
Kazuko YAMAMOTO
1
1琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座(第一内科)
キーワード:
能動喫煙
,
受動喫煙
,
三次喫煙
,
肺がん
,
KRAS変異肺がん
Keyword:
能動喫煙
,
受動喫煙
,
三次喫煙
,
肺がん
,
KRAS変異肺がん
pp.812-816
発行日 2023年9月2日
Published Date 2023/9/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28610812
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タバコの煙には70種類以上の発がん物質が含まれており,ベンゾピレンで代表される多環芳香族炭化水素,ニトロソアミンなどの芳香族アミンがよく知られている.能動喫煙によって,肺がんでは4.8~33.3倍,喉頭がんでは6.0~25.7倍とがん発症リスクが大きく上昇するが,直接主流煙に触れることのない臓器でも発がん性のリスクが示されている.また,肺がんでは受動喫煙によるがん発症リスクの増加も報告されている.近年では,喫煙者の衣服や室内に付着した有害物質を吸入することによる三次喫煙の危険性も注目されている.発がんドライバー遺伝子のなかでKRAS遺伝子変異は喫煙と強い関連性が指摘されている.2022年にKRASG12C変異陽性肺がんに対して初のKRAS阻害薬がわが国でも使用可能となり,話題となっている.わが国および世界の多くの国で喫煙率は低下してきているが,喫煙は最も重要ながん発症リスク因子のひとつであり,今後も禁煙活動を継続していく必要がある.
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