特集 子どもの検査値の判断に迷ったら
3章 髄液一般検査/胸水・腹水検査
5.髄液微生物検査
大石 智洋
1
1川崎医科大学臨床感染症学
キーワード:
髄液
,
微生物
,
グラム染色
,
培養
,
遺伝子検査
Keyword:
髄液
,
微生物
,
グラム染色
,
培養
,
遺伝子検査
pp.1400-1402
発行日 2023年12月20日
Published Date 2023/12/20
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002827
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髄液微生物検査は細菌性髄膜炎などの感染性髄膜炎を疑う時に行われる検査で,感染性髄膜炎の確定診断法である.感染性髄膜炎のうち,とくに細菌性髄膜炎では治療の遅れが予後不良につながる危険性が高いため,本検査およびその解釈はとても重要である.したがって,髄液細菌検査を行う主な目的は,感染性髄膜炎の診断はもちろん,致死率の高い細菌性髄膜炎などの除外,すなわち他の疾患との鑑別である.小児において感染性髄膜炎と鑑別すべき疾患としては,中枢神経症状(意識障害,けいれんなど)をきたす疾患(急性脳炎・脳症熱性けいれんなど)が主に挙げられる.そして,感染性髄膜炎のなかでとくに細菌性髄膜炎は致死率が高いため,早期の治療が必要であり,病院到着から適切な抗菌薬の投与まで6時間以上になると死亡率が高くなるといわれている1).
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