社会小児科学
アレルギーと環境との関係を見直す
島 正之
1
1兵庫医科大学公衆衛生学
キーワード:
エクスポソーム
,
微生物
,
アレルゲン
,
大気汚染
,
アレルギー疾患
Keyword:
エクスポソーム
,
微生物
,
アレルゲン
,
大気汚染
,
アレルギー疾患
pp.486-493
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001722
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アレルギー疾患の発症には,大気汚染などの居住環境,喫煙・食事などの生活習慣をはじめとするさまざまな因子が関与している.生後早期に微生物やエンドトキシンに曝露されるとアレルギー疾患の発症が少ないという報告があるが,乳幼児期における呼吸器感染や吸入アレルゲンへの感作は喘息発症のリスク因子となる.生後早期におけるPM2.5やオゾンなどの大気汚染物質への曝露とアレルギー疾患発症との関連も明らかである.気候変動によって大気汚染の悪化や花粉などのアレルゲンの増加がもたらされており,アレルギー疾患への影響が懸念されるが,未解明の点も多い.現在,わが国で進められている出生コホート研究「エコチル調査」の成果が期待される.
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