Japanese
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特集 覚醒下手術の最前線――臨床的意義と神経科学
覚醒下手術におけるリハビリスタッフの役割
-――現状と今後の課題
Roles of rehabilitation staffs on awake surgery
――Current status and future directions
二村 美也子
1
,
藤井 正純
2
Miyako FUTAMURA
1
,
Masazumi FUJII
2
1福島県立医科大学附属病院リハビリテーションセンター
2同医学部脳神経外科学講座
キーワード:
覚醒下手術
,
チーム医療
,
リハビリテーションスタッフ
,
神経心理学
,
高次脳機能障害学
Keyword:
覚醒下手術
,
チーム医療
,
リハビリテーションスタッフ
,
神経心理学
,
高次脳機能障害学
pp.723-727
発行日 2023年8月26日
Published Date 2023/8/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28609723
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覚醒下手術は,患者にとって必要な脳機能を担保しながら,同時に病変の最大限切除が求められる.また,社会復帰を含めた真のQOLを守るためには,高次脳機能の温存が重要である.したがって,高次脳機能の専門家である言語聴覚士(ST)や作業療法士(OT)などリハビリテーションスタッフ(以下,リハスタッフ)が覚醒下手術に参画すること,特に術前,術中,術後とシームレスに関わり,脳神経外科医とともにチーム医療を実践することは,それぞれの専門性をいかした質の高い覚醒下手術につながると期待される.また,患者の精神面や生活背景に対して細やかな対応が可能となるメリットもある.一方で課題もある.リハスタッフの教育,多職種の知識・情報共有の場や,病院内の協力体制など環境整備が必須である.術中評価者の全国的な情報交換,評価プロトコールの標準化・均霑化,制度上のインセンティブなども将来的な課題といえる.リハスタッフの参画により,わが国の覚醒下手術がさらに発展することを願っている.
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