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特集 覚醒下手術の最前線――臨床的意義と神経科学
運動機能温存における覚醒下手術の臨床的意義
Clinical significance of awake craniotomy in preserving motor function
齋藤 太一
1
Taiichi SAITO
1
1東京女子医科大学脳神経外科
キーワード:
覚醒下手術
,
運動野
,
錐体路
,
経皮質motor evoked potentials(MEP)モニタリング
,
運動機能予後
Keyword:
覚醒下手術
,
運動野
,
錐体路
,
経皮質motor evoked potentials(MEP)モニタリング
,
運動機能予後
pp.699-706
発行日 2023年8月26日
Published Date 2023/8/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28609699
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運動野内およびその近傍に発生するグリオーマの摘出術において運動機能障害を最小限にしつつ最大限の摘出を行うためには,運動機能の局在,白質解剖(錐体路)を術中に把握することが重要である.覚醒下手術は,術中の電気刺激により皮質,白質レベルでの運動機能の局在の確認を行うことができ,さらに術中の患者の自発運動を観察することにより実際の運動機能を評価することが可能である.筆者らは,この領域の腫瘍摘出においては覚醒下手術に加え,経皮質motor evoked potentials(MEP)モニタリングを積極的に併用してきた.運動野内,さらにその近傍に発生するグリオーマ症例のそれぞれの検討では,覚醒下手術中の自発運動の変化,経皮質MEPの変化の所見をあわせて評価することにより,術後6カ月の患者の運動機能予後を予測することができることを示した.すなわち覚醒下手術は,運動機能の温存,積極的摘出を可能にするだけでなく,術後6カ月の運動機能予後の予測においても臨床的意義があると考えている.
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