CKD 患者におけるがん化学療法─透析患者を中心に
III がん種から見た抗がん剤の使用法 2 消化管がん
水上 拓郎
1
1聖マリアンナ医科大学臨床腫瘍学
キーワード:
食道がん
,
胃がん
,
大腸がん
,
透析
,
化学療法
Keyword:
食道がん
,
胃がん
,
大腸がん
,
透析
,
化学療法
pp.826-832
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000943
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• 化学療法の休薬,減量,中止の判断に絶対的規準は存在せず,レジメン開発過程で行われた臨床試験における投与規準を参考に行う.
• 治癒または治癒率の向上を目的とした化学療法では,その可能性を下げるような減量は可能なかぎり避けるべきである.
• 切除不能進行または再発消化管がんでは無用な副作用を避け QOLの向上を心がけるべきであるため,開始用量を含めて減量もしくは早期の休薬を判断すべきである.
• 本邦の維持透析患者を対象とした調査では,減量が不要と考えられていた 5-FUおよびタキサンなどの抗がん剤も多くの症例で減量され,白金製剤の投与方法にもばらつきがあった.
• 消化管がんを有する維持透析患者に対する化学療法は適応および治療の目的を十分に検討し,安全性に最大限配慮した体制で開始することが肝要である.
• 5-FU の異化産物であるフルオロ・ベータ・アラニンは腎排泄であり,維持透析患者では体内に蓄積する可能性が指摘されている.
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