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特集 統合失調症の心理社会的治療—どのように使い分け,効果を最大化するか
統合失調症の心理社会的治療
Psychosocial Treatment of Schizophrenia: How to utilize it to maximize its effect
安西 信雄
1
Nobuo Anzai
1
1帝京平成大学大学院臨床心理学研究科
1Graduate School of Clinical Psychology, Teikyo Heisei University, Tokyo, Japan
キーワード:
統合失調症
,
schizophrenia
,
心理社会的治療
,
psychosocial treatment
,
治療効果
,
effect
,
活用
,
utilization
Keyword:
統合失調症
,
schizophrenia
,
心理社会的治療
,
psychosocial treatment
,
治療効果
,
effect
,
活用
,
utilization
pp.1427-1435
発行日 2021年10月15日
Published Date 2021/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206459
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抄録 心理社会的治療の使い分けと効果の最大化を検討するため,心理社会的治療の背景と定義を振り返り,代表的な治療ガイドラインにおける心理社会的治療の特徴付けを検討し,重度の精神科入院患者の「退院支援実践ガイド」を例として取り上げ検討した。心理社会的治療が生まれた背景には,①薬物療法の限界の認識,②脆弱性-ストレスモデル,③心理社会的リハビリテーションの影響があることを述べた。各種のガイドラインにおける心理社会的治療の効果の評価には一定の共通性とともにばらつきがあった。効果を期待する領域や事項ごとに得意とする心理社会的リハビリテーションがあるので,使い分けが重要と考えられた。重度の精神科入院患者の実践ガイドではさまざまな心理社会的治療や多職種協働の治療を組み立てる「要」として定期的な面接の重要性が示された。エビデンスのある心理社会的治療を効果的に活用していくためには,患者の希望を踏まえてリカバリーに向けて目標を設定し,関連する心理社会的治療を患者の同意を得ながら選択して実施していくプロセスが重要と考えられた。
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