Japanese
English
特集 「治療を終える」に向き合う
【統合失調症】
統合失調症の「治療を終える」に向けた心理社会的治療
Psychosocial Interventions Aimed at ‘Ending Treatment' for Schizophrenia
藤井 千代
1
Chiyo Fujii
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域精神保健・法制度研究部
1Department of Community Mental Health & Law, National Institute of Mental Health, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
キーワード:
統合失調症
,
schizophrenia
,
心理社会的治療
,
psychosocial intervention
,
共同意思決定
,
shared decision making
,
主体性
,
personal agency
Keyword:
統合失調症
,
schizophrenia
,
心理社会的治療
,
psychosocial intervention
,
共同意思決定
,
shared decision making
,
主体性
,
personal agency
pp.1582-1587
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207453
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抄録
統合失調症の治療は長期的な継続が重視される一方,「治療を終えたい」と希望する当事者も少なくない。本稿では,その希望に対して医療者がどのように向き合うべきか,心理社会的治療の観点から論じた。「治療を終えたい」と考える背景には,病識の乏しさが関係する場合もあるが,治療に伴うさまざまな制約やスティグマなど,個別の事情がある。医療者が「治療を終えたい」とする患者の望みに対して丁寧に向き合う共同意思決定のプロセスは,当事者との信頼関係の構築に寄与するだけでなく,治療への動機づけやリカバリーにも資するものと考えられる。心理社会的治療により治療の負担を軽減しつつ,当事者の主体性を尊重した関わりを行うことが重要である。今後は,外来診療において統合失調症の心理社会的治療を適切に提供できるような体制づくりも必要である。
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