発行日 2012年9月20日
Published Date 2012/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2012370749
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人々は、自分たちと異なる外見の者に対して否定的な見方をしたり、「異常な者」「社会の異端者」といったレッテルをはったりすることがある。しかし、近年の研究において、外見的特徴を有さないがん患者に対しても、人々の偏見や差別感情などが存在することが示されている。特定の疾患や患者に対する偏見や差別意識のある社会(他者)とのかかわりは、患者の行動や情動に多大な影響を与える。本稿では、社会(他者)が自己(self)に与える影響の過程を、社会相互作用理論を用いて解説し、次に、その影響の問題点を明らかにするために、さまざまな疾患を対象とした先行研究を整理する。最後に、がん患者におけるスティグマ研究の今後の方向性、およびスティグマ軽減における看護師の役割について論じ、研究の理論的枠組みを提案する。
©Nankodo Co., Ltd., 2012