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第5土曜特集 生体イメージングの最前線――絶え間ない技術革新と生命医科学の新展開
イメージングで神経活動を解析する
神経回路機能解析のための細胞種特異的な標識と光学イメージング
Cell-type-specific labeling and optical imaging of neural circuits
竹内 遼介
1
,
小坂田 文隆
1
Ryosuke F. TAKEUCHI
1
,
Fumitaka OSAKADA
1
1名古屋大学大学院創薬科学研究科細胞薬効解析学分野
キーワード:
genetic dissection
,
ウイルスベクター
,
脳機能イメージング
,
多光子顕微鏡
Keyword:
genetic dissection
,
ウイルスベクター
,
脳機能イメージング
,
多光子顕微鏡
pp.372-379
発行日 2023年7月29日
Published Date 2023/7/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28605372
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動物は環境を認識し,生存のために適切な行動を選択する能力を持っている.脳を中心とした神経系は,感覚器から送られてきた情報と過去に蓄積されてきた経験や記憶などの情報を基に,この機能を実現する.ヒト大脳皮質には約100億個以上の神経細胞が存在し,各細胞同士が複雑なネットワークを形成することで情報処理機能を発現する.生体を対象とした神経生理学は神経細胞の動態を観察することを中心として発展してきた.ここ20年のフェムト秒パルスレーザーなどの光学技術やgenetic dissection技術,またこれらを融合させたシステム神経科学分野の発展により,神経細胞の生理学的機能とその生物学的特性や遺伝子発現様式などの知見が融合されつつある.本稿では,ウイルスベクターやマウス遺伝学によるgenetic dissection技術と,生体脳を観察・解析するための光学的技術とを融合させた神経回路研究について紹介する.
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