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特集 脳損傷後の神経可塑性変化Up To Date
8 脳梗塞後の運動麻痺の機能回復と関係する神経可塑性変化—サルの知見とヒト脳機能イメージングから得た知見
Neural Correlates Underlying Functional Recovery of Functions in Motor Disabled Patients and Monkeys
阿部 十也
1
Mitsunari Abe
1
1国立精神・神経医療研究センター脳病態統合イメージングセンター(IBIC)先進脳画像研究部
キーワード:
脳脊髄運動伝導路
,
手指運動
,
歩行
,
脳機能イメージング
,
回路再構築
Keyword:
脳脊髄運動伝導路
,
手指運動
,
歩行
,
脳機能イメージング
,
回路再構築
pp.792-798
発行日 2023年9月18日
Published Date 2023/9/18
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- 参考文献 Reference
要旨 リハビリテーション治療は,脳梗塞後の運動麻痺を改善させる効果をもつ.サル損傷モデルの観察によると,運動機能の回復過程で脳脊髄運動伝導路は大規模な再構築を起こし,損傷前とは異なる回路に変化する.ヒト脳機能イメージング手法を用いて脳梗塞後の機能回復を観察した研究が多数ある.リハビリテーション治療による機能回復と並行して大脳神経活動パターンが変化した.別の研究では,回路の解剖学的な構築が変化した証拠を提示した報告もある.一連のヒト研究の結果は大脳回路の再編を反映しているかもしれない.しかし,どの脳脊髄伝導路を巻き込んでいるのかはわからずサルの知見との対比ができない.イメージング手法の技術革新により脳脊髄運動伝導路を間接的に評価することが可能になった.脳脊髄運動伝導路の視点で機能回復を観察できるようになれば,さらに神経基盤の理解が深まるだろう.
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