Japanese
English
TOPICS 免疫学
循環型iNKT細胞による抗ウイルス・抗腫瘍応答の制御
Circulating iNKT cells mediate antiviral and antitumor immunity
崔 广為
1
,
生田 宏一
1
Guangwei CUI
1
,
Koichi IKUTA
1
1京都大学医生物学研究所免疫制御分野
pp.220-221
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28603220
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iNKT細胞の不均一性と機能的な多様性
インバリアントナチュラルキラーT(iNKT)細胞は,MHCクラスⅠ様分子であるCD1dにより提示された脂質抗原を可変性の乏しいTCR鎖にて認識して活性化する.活性化したiNKT細胞は,サイトカイン,ケモカイン,細胞障害分子を迅速かつ大量に産生することで自然免疫と適応免疫を橋渡しする役割を持ち,がん,感染症,慢性炎症,自己免疫疾患などのさまざまな疾患の病態に関係している1).そのため,iNKT細胞が免疫細胞療法における有用な細胞のひとつとして注目されている.また,iNKT細胞は,NKT1,NKT2,NKT17の3つのサブセットに分けられ,それぞれT細胞のTh1,Th2,Th17に対応した転写因子(T-bet,GATA3,RORγt)とサイトカイン(IFN-γ,IL-4,IL-17)を発現することで機能的な多様性を示す2).iNKT細胞は組織に常在し,組織に応じてサブセットの分布に違いがあるなどの不均一性を示すが1),その実態については不明な点が数多く残されている.
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