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第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
ネットワークの各因子と,その因子を応用or標的とした基礎研究の現在と可能性
【がん微小環境TME内の免疫ネットワーク解明の研究手段】
シングルセル解析による抗腫瘍免疫応答の解析
Applying single-cell technologies to the analysis of tumor immune microenvironment
垣見 和宏
1
Kazuhiro KAKIMI
1
1東京大学医学部附属病院免疫細胞治療学
キーワード:
シングルセル解析
,
scRNA-Seq
,
scTCR-Seq
,
免疫プロファイリング
,
マルチモーダル化
Keyword:
シングルセル解析
,
scRNA-Seq
,
scTCR-Seq
,
免疫プロファイリング
,
マルチモーダル化
pp.434-438
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105434
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腫瘍微小環境(TME)には,がん細胞以外にも免疫細胞,線維芽細胞,内皮細胞などさまざまな細胞が存在する.免疫細胞といっても,腫瘍内にはリンパ球もあればミエロイド系の細胞も存在する.T細胞には未熟なものから活性化したもの,メモリー細胞や疲弊細胞など,さまざまな分化状態の異なる細胞が同時に存在しており,同一の免疫細胞集団においても多様な不均一性が認められる.しかし,従来の解析技術では蛍光シグナルの重なりによるパラメータ数の限界,ホモジナイズによるヘテロな構成成分が混合されてしまうため,個々の構成成分やその状態を正確に把握することが困難であり,複雑で不均一なTMEの解明には取得されるデータの質・量ともに不十分であった.これらの課題を解決するのが,シングルセル解析法などによる高次元解析である.
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