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特集 免疫系の概日リズム
グルココルチコイドによる免疫応答能の概日制御
Positive and negative regulation of diurnal rhythm of immune responses by glucocorticoids
榛葉 旭恒
1,2
,
生田 宏一
1
Akihiro SHIMBA
1,2
,
Koichi IKUTA
1
1京都大学医生物学研究所免疫制御分野
2同医学研究科人間健康科学系
キーワード:
グルココルチコイド
,
IL-7R
,
Th2細胞
Keyword:
グルココルチコイド
,
IL-7R
,
Th2細胞
pp.159-163
発行日 2022年4月9日
Published Date 2022/4/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28102159
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内分泌系は免疫系の動態と抗原への応答性の日内変動の制御に大きく寄与する.グルココルチコイドは副腎皮質から産生されるステロイドホルモンで,その分泌は日内変動しており,さまざまな末梢組織の機能制御に関わる.グルココルチコイドは免疫系に対して強い抗炎症作用を持つことが広く知られており,炎症性サイトカインの産生を抑制し,細胞障害免疫応答やアレルギー反応を阻害して,組織炎症の日内変動を制御している.一方で,グルココルチコイドはT細胞の生存や再循環に寄与するサイトカイン受容体とケモカイン受容体の発現を亢進し,T細胞の維持や二次リンパ組織への集積の日内変動を駆動することで,適応免疫応答を促進する.また,グルココルチコイドはT細胞の2型サイトカインの産生を促進し,記憶T細胞の維持にも寄与することも明らかになった.本稿では,グルココルチコイドが免疫系に対して正負の相反する作用を持ち,それぞれが免疫応答の日内変動を駆動する機構について概説する.
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