Japanese
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特集 COVID-19と腎臓病
【診断・治療】
抗ウイルス治療:抗ウイルス薬以外
Anti-viral therapy:other than antiviral agents
山岸 由佳
1
YAMAGISHI Yuka
1
1高知大学医学部附属病院 感染症科
キーワード:
中和抗体薬
,
カシリビマブ・イムデビマブ
,
ソトロビマブ
,
イベルメクチン
Keyword:
中和抗体薬
,
カシリビマブ・イムデビマブ
,
ソトロビマブ
,
イベルメクチン
pp.173-179
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000030
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はじめに
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における治療は,COVID-19の病期に合わせて「中和抗体薬」「抗ウイルス薬」と「抗炎症薬・免疫調節薬」を組み合わせて行う。中和抗体薬や抗ウイルス薬は,これまでの臨床的経験から発症早期の投与により効果が期待されるが,重症化してからでは効果が期待されない。重症度別にみたマネジメントでは,中和抗体薬は軽症~中等症Ⅰ,抗ウイルス薬は中等症Ⅰ以上での使用が推奨されている1)。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のライフサイクルからみると,抗ウイルス薬であるプロテアーゼ阻害薬はメインプロテアーゼの活性を阻害しRNA複製を阻害する。また核酸アナログ製剤はウイルスのRNAポリメラーゼによりRNAに組み込まれ,複製エラーを起こす。一方,中和抗体薬は,ウイルスのスパイク蛋白質の侵入受容体となる細胞表面のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)に結合する部位(receptor binding domain:RBD)をブロックする。
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