Japanese
English
連載 医療システムの質・効率・公正――医療経済学の新たな展開・Vol.4
地域医療計画・地域包括ケアシステムとその将来
Regional health plan, regional comprehensive care system and its future
松田 晋哉
1
Shinya MATSUDA
1
1産業医科大学医学部公衆衛生学教室
キーワード:
地域医療計画
,
地域医療構想
,
外来医療計画
,
地域包括ケアシステム
,
医療介護複合体
Keyword:
地域医療計画
,
地域医療構想
,
外来医療計画
,
地域包括ケアシステム
,
医療介護複合体
pp.173-178
発行日 2023年7月8日
Published Date 2023/7/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28602173
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Summary
地域医療計画は,医療資源の地域的偏在の是正と医療施設の連携を推進するため,昭和60(1985)年の医療法改正により導入されたものである.具体的には,都道府県が国の定める基本方針に即し,地域の実情に応じて,当該都道府県における医療提供体制の確保を図るために,「都道府県の二次医療圏ごとの病床数」,「医療従事者の確保等に関する目標」,「5疾病・6事業ごとの医療連携体制」の項目について数値目標も踏まえて策定し,PDCAサイクルに基づいてそれを推進することとしている1).しかしながら,現状では地域医療計画は十分に機能しているとは評価しがたい.現在の環境条件で,医療者の自主性に任せた改革を行うことには限界がある.改革のインセンティブとなるより具体的な情報の提供が必要である.この情報提供は地域医療構想や外来医療計画で進みつつある.今後,先進的な医療介護複合体(多くは民間組織)がこうした情報を活用して,医療介護提供体制の再構築を行い,それがわが国の地域包括ケアシステムの具体的な形になると予想している.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.