Japanese
English
第1土曜特集 ARDSの治療戦略――個別化診療への道筋
その他の治療
ARDSと右心機能
Right heart function and ARDS
德平 夏子
1
Natsuko TOKUHIRA
1
1大阪大学医学部附属病院集中治療部
キーワード:
肺血管抵抗
,
右心不全
,
肺保護換気
,
低酸素性肺血管収縮(HPV)
,
高炭酸ガス血症
Keyword:
肺血管抵抗
,
右心不全
,
肺保護換気
,
低酸素性肺血管収縮(HPV)
,
高炭酸ガス血症
pp.109-113
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28601109
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急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は,種々の原因疾患から急性呼吸不全を示す症候群である.ほとんどの場合,呼吸障害以外の障害が併存しており,循環動態にも大きな問題があることも多い.敗血症や種々の原因で発生するサイトカインストームがARDSの発症に大きく関わっているといわれている.これらサイトカインなどは心筋収縮能の低下や血管拡張などを通じて,循環系に大きく影響している.低酸素血症の程度はARDSの予後を大きく左右するのではないという報告1)がある一方,逆に循環動態が予後に影響するという報告2)もあり,循環管理は非常に重要である.循環管理では左心機能を考慮することが重要であるが,ARDS患者における左心機能との関連については,一般的な重症患者における循環管理を参考にされたい.肺循環と右心機能は心拍出量の維持に重要であり,ARDSでは左心機能に加えて肺循環と右心機能が病態に大きく関わってくる3-6).本稿では,ARDS患者の循環管理において特徴的な右心系に関わる因子に注目して述べたい.
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